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こっ!これはかなり楽しかった!福井のライブの巻〜。

 福井でライブ。9月頭に行った名古屋が楽しくて楽しくて仕方がなかったので、福井のライブも楽しみで楽しみで!そんな待ちきれないくらい待ち望んでいた福井のライブがやっと来たもんだから、29日へと日付が変わった瞬間にテンションが上がる。超楽しいライブやって色んな人に出会ってみんなで笑い転げて美味しいもの食べて、一瞬の隙もないくらいの旅になるといいな。いや、みんなで力を合わせて是非そうしよう。という心構えが一致したので、当日は早めに東京を出発する。陽君は前日に大阪へ行ったので、メンバー三人とユウジで福井へ向かう。
 新東名を走りながら外を見れば空は厚い雲。雨が降ってないからいいけど今日は曇りか・・・。上がってるテンションに水を差す天気だなと思いながら時計を見たらまだ9:30。え!もう昼頃かと思ってたけどまだ全然朝じゃん!時間の流れの遅さにまたテンションが上がる。いいね、出だしの展開文句無しだね。昼に近づくにつれて晴れてきたので浜松インターで休憩。
 浜松インターは駐車場にソテツを植えて南国感を出している以外は、前回寄った清水インターと大差無し。と思ってたらミュージックスポットなるものを発見。ミュージックスポット・・・音楽の空間・・・つまりライブハウス・・・ライブやりたい。ここでライブできるっしょ!やろう!という盛り上がりが一瞬訪れるが、ミュージックルームを見渡してからよく考えたら無理そうだった。ガラス張りでフードコートのど真ん中にあるんだもん、とりあえずハードコアのライブは絶対断られるだろうな。
 車内でマンガの話をしていたら、往年のジャンプのギャグ漫画「ついでにとんちんかん」の話になって、ぬけ作先生の「いきなり尻見せ!」のギャグを思い出して笑う。そして今回の旅ではメンバーへいきなり尻見せをやりまくる。旅の間だけの流行り、いいね~。
 早めに出たから早めに福井へ到着。去年やった奈良でのライブの時に出会って、それがきっかけで今日のイベントを企画してくれたクマ君の家へ行く。子供の頃からこの部屋だったというクマ君の部屋は、天井の斜め具合と窓とブラインドの感じがグーニーズみたいで非常に羨ましい。この部屋いいなー。
 今日の会場はクラブチャーチ。おぉ、チャーチでライブなんてブラックフラッグみたいでカッコいい!機材を下ろして、近くの宿に荷物を置いて、今夜DJで出演する”居酒屋の鬼”南くんオススメの居酒屋へ行く。その名もアジキン。味金かな?味錦かな?とにかくピカ一の味ってことが伝わってくるいい名前だね。美味しそう(南くんがオススメする居酒屋は絶対に美味しい)。隣では陽君が味ぎん味ぎんと、いつものように間違えてインプットされた名前を連呼している。でもこちらもまだ店名に絶対の確信が無いのでとりあえず突っ込まない。
 案内されて「味の王様」という看板のお店へ入る。あれ、結局別の店にしたのかな?いいえ、ここがアジキン
なんです。味の王様と書いて味のキングと読む。略してアジキン。意表、突くね~。
 どの料理も美味しいけどやっぱり魚が特に美味しい。隣のテーブルに座っていたインベ様(今夜DJで出演。凄く和やかな方)オススメのカニ味噌豆腐とか、名前を見た瞬間から食べたかったアジバーグとか、オリジナルらしき料理が美味しい。もちろん刺身も美味しい。刺身の盛り合わせを食べるとき、俺はイカとタコで盛り合わせ全体のレベルを測ることにしているのだが、イカもタコもとても美味しかった。イカは新鮮で生臭さがなく、タコも水っぽいところがない。これは他の魚も絶対に美味しいということだ。カンパチ、アジのたたき、サンマ、全部とても美味しかった。
 大満足でお店を出ると小雨。そういえば台風が近づいているんだったということにようやく気づく。少し冷たい雨の中をプッシュしていると、凄く滑りそうな縁石を発見しちゃったもんだから思わず燃えてしばしスケボー。南くんとケイスケとストリートやるなんてマンデーズじゃーん。
 宿へ帰ってお風呂へ入って部屋で一休み。今日の企画は10時からなのだ。今朝は早かったしお腹いっぱいだし、スケボーして疲れたしお風呂も入ったし、ライブまだなのに疲れたな・・・でも寝たら起きられなさそうだな、と思いながら隣を見たらケイスケはすでに寝息をたてている。今は雨止んでいるのかな?福井の夜は静かだ。

 皆さんおはようございます。数時間後にムクリと起きて、今日の第二ラウンド開始。みんなでクラブチャーチへ行くと、チャーチ周辺は夕方と変わってかなり賑わっている。ビル周辺に立っている人たちを見て今夜はお客さんが多いなーと思っていたら、その人たちは同じビルのキャバクラへ行く客だった。しばらくしてからやってきた集団は、キャバクラへ行くのかと思ったらチャーチへ入って行った。その後の二人連れの男性もキャバクラかと思ったらチャーチだった。なんか今日はお客さんの見分けがつきにくいな。酔ってノリがよくなってる女の子四人組が笑いながらチャーチへの階段を降りていくと、入り口付近で溜まっていた男の子たちが追いかけるようにチャーチへと消えていった。そう、女の子はいつだって男の原動力なのだ。
 バンドも良かったんだけど、チャーチの中へ入ってから最初にガツンと来たのはクマ君の誘うようなDJ。知らない間に気持ちが持っていかれる魔術のようなDJだった。例えるなら聞いたことが無い言語で、世界の成り立ちについての説明を受けているような感じ。言葉は分からないけど、彼(か彼女)が語る世界につい引きこまれてしまう。そんな感じ。同時に今日の第二部がいま始まったなということを強く実感する。皆さんこんにちは今日もよろしくお願いします。
 続く南君のDJも最高に上がる。なんつうか上がるのだ!体の奥から寸断無く突き上げてくるものが、俺の全てを上げようとするのだ。いいね、いいね、ウズウズしてきてるよ俺。楽しい展開は確実に始まっているね!ね!そして始まったシーラブイットのライブが超格好よかった!彼らのガッツが見える、聞こえる、伝わってくる。彼らが何故バンドをやりたいのか、バンドで何をやりたいのか、それが一発で伝わってくる。そう、バンドをやるというのはこういうことなのだ!少なくともハードコアバンドは!
 この一連のDJ陣とバンドの流れが俺の体の全てを作り替える。熱くて力強い何かが頭から指先まで詰まって今にも体中が暴れだしそうだぜ!ここでもう一回南君、いや、DJ373がさっきのスケボーを思い出させるようなDJでフロアの空気をビシっとさせる。絶好調だね、いまここが絶好調のポイントだね!四つ打ちのリズムにメンバーの演奏が少しづつ混ざっていく。俺はもうたまらないくらい打ち震える。
 そんな気持ちはメンバー共通だったのか、ブレックファストもこれでもかってくらい燃えて、フロア全体で盛り上がる熱いライブをする。真っ白になってあんまり覚えてないのが残念だけど、とにかく俺の体の中にあったものを全てフロアへと放出するライブが出来た。覚えているのは後半に陽君が全裸になって下品なジェスチャーしていたこと。陽君も体の中に渦巻く何かがあったんだろうな。
 インベ様のDJで踊りながら、体が少しづつ現実へと戻ってくる。燃えたな・・・。もうろうとしながら今夜ライブペインティングで描かれた絵を眺める。イクミちゃんが描いたバッファローの絵。この線の躍動感はさっき俺が感じた躍動感かな。この曲線は俺が感じた曲線かな。

 せっかく福井来てるんだから、寝てないで街を散策しようぜ。とケイスケと明け方の街を歩いてみるが、雨が降ってきたのですぐ断念。そう、俺たちの気持ちと関係なく台風は確実に近づいているのだ。
 仕方なく宿へ戻ってシーラブイットのみんなと大部屋で寝ようとするが、なんか全然眠くない。どうしようかなと考えていると、隣の布団で横になっているシーラブイットのスギオ君も起きている様子なので話しかける。  
 ちょっといいかなスギオ君。よければスギオ君のルーツを教えてもらえない?ライブで疲れた明け方にされる質問としてはかなり迷惑な部類だと思うんだけど、スギオ君はとてもいい人で話してくれた。
 スギオ君は伊賀の出身で、まわりには忍者の末裔がたくさんいた。スギオ君の家系も忍者だったかも知れないけど、調べたわけではないので定かではない。学校の先生の中にも忍者の末裔という人がいて、その先生の実家からとなり町まで続く抜け穴が発見された事もあった。その先生はチョーク投げとか凄かった?と聞いたがそうでもなかったらしい。先生も生徒も忍者・・・さすがの猿飛みたいだな。
 スギオ君が住んでいた頃はヤンキーだらけの町だったが、今はブラジル人が多い町になった。昔よく行った駄菓子屋が居抜きでブラジルのお店に変わっていて、当時のままの店内に大きなブラジル国旗が貼られているのを見ると少し切ないとのこと。それは!・・・切ないですね。
 スギオ君は分からないと言っていたが、彼は忍者の末裔だと思った。見ていると、立ち居振る舞いや判断の仕方に忍者センスを感じるのだ!浴衣を着ているスギオ君は歌舞伎役者みたいでカッコよかった。あ、浴衣を着てるから忍者を感じたのかな。

 翌日はクマ君に連れられて焼き鯖も食べられるというおそば屋さん、こはく庵へ連れて行ってもらう。光と木に包まれたお店で凄く落ち着く。天井の組み合わされた材木なんかはかなり手が込んでいるように見える。それにしても木に包まれて食べる蕎麦っていい。もちろんとても美味しい。凄く美味しい蕎麦の向こうに水の味を感じる。やっぱり水が美味しいと料理が底上げされるね。そして焼き鯖美味しい!初めて食べたけど、みりんかな?ちょっと甘いところがとても美味しい!
 温泉入ってから大阪へ向かうと言うと、クマ君がミラクル亭という温泉を教えてくれた。いい名前だからそこに行こう。しかもひらがなで書くんだよと笑いながら教えてくれた。みらくる亭、手書きの張り紙がベタベタ貼られている感じかな?番台のおじいさんがいい味出してるのかな?名前からのイメージだとモヤってる事は間違いないね。
 車はいつしか山道を上がっている。道の両側は見上げる程高い杉の木が見渡す限り続いている。ユウジがヤバイすね~。北欧メタルすね~。と興奮するのも分かる。確かにこの杉の連なりは北欧ぽい!しとしと音もなく降っている雨がまた雰囲気を静謐なものにしている。
 みらくる亭、受付の感じやおみやげコーナーは年季が入った温泉という感じだったけど、エレベーターを上がると雰囲気が一変。木組みの天井と階段が延々と続いていて、窓から見える杉と合った凄く良い雰囲気で素晴らしい。こはく庵もそうだけど、福井は良さそうな建築物が多い。
 エレベーターで上がって、さらに階段を登った先にお風呂がある。山の中腹で杉の森に囲まれた湯船はかなりみらくるだ(こういうみらくるが来るとは思わなかった!)。湯船の正面は大きな窓になっていて、すぐそこに何本もの大きな杉の木の幹が見える。幹の合間からは、遠くに連綿と連なる杉の木々が見える。大きな窓で四角く切り取られた景色は一枚の絵のよう。近景のまっすぐ伸びた幹と、遠景の杉の連なり。灰色の空と深い色の杉の葉。まるで歌川広重の版画みたいだ!ぬるめのお湯にゆっくり浸かってそんな景色をジッと見つめる。湯船に入っている人は皆そうしてだまって景色を見ている。お風呂にいるのは年配の方が多いが、皆とてもガッシリした体つき。たぶん林業をやられている方々だと思う。台風が近づいてるから今日は休みになったのだろうか。そんな人たちが黙って湯船に浸かりながら、窓から見える雨の杉を眺めているので、いつしかこちらも無言となる。みらくる亭のお風呂は普通の温泉が持つ社交場としての機能ではなく、自然と向き合う場として設定されたお風呂なのだ。
 洗い場の脇にはドアがあって、そこから湯冷ましのために作られたテラスへと出られる。雨の冷たい空気が気持ち良い。風や雨や木々の匂いを感じながら見る杉の木々は、湯船から見るよりもずっといろんなものが感じられる。なにしろ俺は裸なのだ。細かい雨が全身に降り注ぐ。冷たい風が吹いて杉の木の上の方がざわざわと動く。雨の降る音、杉の葉の音、いろいろな音が聞こえる。雨が上から下へと動き、空気が縦横無尽に流れる。裸で自然の中にいると、五感がいつもより多くのものを感じる。とにかく凄い開放感だ。いまなら何とでも一つになれる。全てを愛することが出来る。フリーセックス!裸のまま走り出したい!そしてもう大声とか出したい!やっていいですか!やらせてもらっていいですか!というギリギリのところまで気持ちが行きそうなので湯船へ戻る。
 ところで源泉かけ流しのみらくる亭の温泉は飲むことが出来る。お湯が出るところにはコップも置いてあって、お湯の中のひょうたんのモチーフが可愛い。温泉だけど硫黄などの匂いは全くないので確かに飲めそう。陽君がコップで源泉を飲んでいるのでどうですか?と聞いたら、5日間歯を磨いてないから普通の水との違いが分からないだって。
 え!5日間て福井に来る前からじゃん!散々食べた美味しいものたちの味は伝わってるのか?この人には・・・。
 みらくるを存分に味わって福井駅へ戻る。ケミー君は新幹線で東京へ。残った俺たちは車で大阪へ。一人減るだけでもかなり寂しいな・・・と思いながらケミー君を見送って駅前でナビを入力していると、ケミー君が戻ってくる。え!ひょっとして新幹線止まってるの!台風のせいで東京帰られないの!?テンション下がってるケミー君には申し訳ないけど、こちらはテンション(超)上がる!戻ってきてくれて凄く嬉しい!!
 台風の中大阪へ。雨と風が凄かったらしいけどずっと寝てました。夢は見ていません。

 大阪はエポックという場所で陽君の個展。非常階段を4階まで登るんだけど、二階のお店が気になる。同人誌が売ってるのかな?もう閉まってるので確認できないけど。
 エポックは靴を脱いで絨毯の上に寝転ぶスタイル。うーん、家の感じが増しますね。座ってみんなと話したり、DJやってみんなに音楽聞かせたり、本当に家みたいだ。
 途中でスケートニクスのケンジロウにカレー屋へ連れて行ってもらう。本当はたこ焼きが食べたかったんだけど、連れて行ってもらったお店のカレーがとても美味しい。牛とオクラのカレー目玉焼き(+50円)乗せ。
 今夜はしょうちゃんの家へ泊めてもらう。その前に中華のお店でご飯を食べる。カレーを食べたんだけどね。ついラーメンと餃子を食べる。みんなは激辛台湾ラーメンを回し食べしているけど、さっきカレー食べたしもういいや。陽君がここの中華屋でおもむろにサラミを一本買う。おみやげにするらしい。
 深夜のしょうちゃんの家でイクミちゃんから阿波弁を、しょうちゃんから大阪弁をいろいろと聞く。そういう話大好き。
 
 そして翌朝、予定通りに寝坊して東京へと帰る。帰りの車中でも楽しく喋りたかったんだけど、言葉が何も浮かんでこない。あぁ、今日の俺は抜け殻なんだな。寂しい?切ない?どれでもない。なんでもない。何もない気持ち。秋の空と秋の山々の中を東京へと帰る。帰った途端に俺を飲み込むであろう現実に対して、諦めと安堵の気持ちが入り交じる。大丈夫。11月にまた大阪ですから。


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