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熊谷ヴォーグ

 高速道路を使う二時間のドライブは、我々にツアーのイメージを抱かせて車中を興奮させた。まだ見ぬ土地への期待感が皆を饒舌にするはずであった。しかし俺の後ろに座っているはずに陽くんの声は何故か少ない、見ると額にはうっすらと汗がにじんでいるではないか。「・・・おなかが痛い。」そう!陽くんはおなかが痛いのだ!その痛みがおそらくピークに達した関越道入り口で、ついに陽くんはサービスエリアに寄ることを提案した。すでに陣痛の間隔が短くなってきているらしい。しばらく走るとサービスエリアまでの距離を表す看板が出てくる。4キロ地点と23キロ地点と40キロ地点のサービスエリアが示された看板を見て運転していたタロクンが言った。「陽、三つあるけどどれにする?」「うーん、ストイックに23キロ」ストイックに23キロ!ストイックに23キロ!人は極限状態では想像できない思考の展開があるということだ。熊谷名物フライ焼きというものを食べる。(もちろんその前に熊谷ヤンキーとガンを飛ばし合う)噂を聞いて食べてみた名物はお好み焼きに似た食べ物で非常に美味かったのだが、特筆すべきはその食感であった。適度な柔らかさと歯ごたえはまさにサンフランシスコで食べたあのパンケーキではないか!店の内装と食べ物としての種類がまったく違うだけに(麻雀ゲームがテーブル代わり)、その類似点は驚異的だった。「俺は今熊谷でサンフランシスコの風を感じている・・・」
 モルタルレコードというなかなか居心地のよさそうなレコード屋の前でスケボー(最高セッション!)、捨ててあったモルタルレコードの看板を使ってのウォーリーセッションが最高に俺をプロ気分にさせる。ただしその脇にあったウォールは無理であった。


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