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年末に読んだ本

 「古道具 中野商店」を読む。日常の悲喜を描いた内容に堀江敏幸(を浅くしたような)感じかなと思ってたら、恋愛要素も入ってきて、結果鎌田敏夫みたいであった。作者の川上弘美はセンセイの鞄という作品で谷崎潤一郎賞を獲っているが、堀江敏幸も谷崎潤一郎賞を獲っているし、さりげない日々を綴る作品が受賞の傾向としてあるのかなと思う。「細雪」みたいな。谷崎潤一郎賞と言われると耽美的なものをイメージするので、肩すかしをくらう事が多い。でもセンセイの鞄って読んでみようかな。

 テレビで映画「春琴抄」をやっていたので観る。面白かった。春琴抄は中学だか高校の頃に読んで、全く面白くなかった記憶があるので、谷崎潤一郎の魅力を知った後も何となく読まなかったのだが、やっぱりあの頃の俺が理解出来てなかっただけなのか・・・。読み直そう。
 永井荷風の叙情的な文章が素晴らしくて大好きです。「新橋夜話」が好きです。観察者としての冷静な視点が好きです。
 その永井荷風に「刺青」を絶賛された谷崎潤一郎も好きです。悪魔主義とまで言われた耽美な世界に心酔できるのは、本の世界と書き手との間にある距離感が絶妙だからだと思います。谷崎潤一郎が書く三人称は上手過ぎて、ついつい読んでしまいます。
 谷崎潤一郎はその耽美で背徳的な世界を初期は探偵小説で表現していましたが、その流れで探偵小説も好きになりました。昔の探偵小説はファンタジーに近いと思います。
 江戸川乱歩の二十面相読み直そうかなー。映画やってるし。歌舞伎の人間豹面白かったし。


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