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夢の話

 どこか南方の所へみんなで旅行へ行った。坂の下に広がっている瓦屋根の沈んだ色の町並み。急な坂道の途中にも建物は密集して建っており、坂の上には塔だとか病院だとかがそびえていてその向こうは海である。病院や警察署や郵便局や銀行やそういった建物はどれも坂の途中か坂の上に建っていて、面白いのはそれらがどれも佐々木マキの絵のようにディフォルメされた船の形をしているところだ。回りの建物にぶつからないように(としか思えないのだが)円柱が延びてその上に可愛らしい船が乗っている。可愛らしいといっても建物なので相当に大きいのだが、こういった船が坂の途中のいたる所に建っているので、坂の上から上手い角度で坂の下を眺めると、坂の下に連なる瓦屋根の海を船が渡っているように見える。

 坂の途中はそういった船や白壁の建物ばかりでどこか外国のようだが、坂を下りれば延々と続く瓦屋根の家ばかりで、静まり返った色彩が坂の船を見て興奮した心を落ち着かせる。

 今日の宿に連れて行ってもらうために、坂の上の病院から坂の下まで歩く。野上という同級生が今はここの病院で働いていて、それで我々は遊びに来たのだ。我々の歓迎会をやってくれるというので、野上とその同僚の看護婦が数人、それに俺と友達で坂を下りる。

 坂道はスケボーで下りる。坂でない所は喋りながら歩く。この町を見て「獄門島」を思い出したという話を俺がしている。歓迎会の座敷には俺の親戚一同が揃っていて、そこには死んだ伯父さんなんかもいてとても懐かしい。

 坂の下に連なる瓦屋根は東北の趣なのに、何故ここを南国と思ったかというと暑さを体感していたから。あ、俺は寝ていて暑いからここが暑い南国と思っているんだなと思った瞬間ここが夢だと気づいた。今日は瓦屋根で目が覚めた。外を見ると思った通り日差しの強い晴天であった。


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