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日本の夏、キンチョーの夏

 帰国すると梅雨は明けており、完全な夏は世田谷の片隅にまで訪れていた。日本特有の照りつけとコンクリートから立ち上るワクワクする感じと、それから湿気と、何と言っても蝉の声は混ざったまま家のまわりに停滞している。風は凪ぎ、夏は留まり俺を包む。アメリカから帰ってきたら夏だったなんて最高だなと思いつつ、そのアメリカで着た服を洗濯する。いきなり夏になっているという状況が刺激的なので気づいてないけど、洗濯という行為は日常へ帰還する第一歩。
 と思っていたら「アメリカの続きでフェレムへ行こう」と誘われて、やっぱみんな分かってるなーと感謝しながらトムソーヤを見つつ(アメリカでずっと思い出していたアニメ)迎えを待つ。行ってみたらもう膝に力が全然入らなくて駄目でした。やっぱ疲れてるのかね。
 車での帰宅中、先に降りる今里君が調子悪そうだったので、「お大事に」と声をかけようとして「お気を付けて」と言ってしまい怪訝な顔をされる。だって俺たちこそまだドライブが続くのに。
 夜中、時差ぼけで眠れないでいると唐突にアメリカを思い出して寂しくなる。こんな時に彼女がいれば違うんだろうけど、いないものは仕方ないので寂しさを噛み締める。


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