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カオスパークでいつも泥酔

 アースドムでライブ。なにがなんでも行くでしょうってくらい楽しみ。だってみんなが集合するから。
 最近スケボーやりまくっている僕は今日も着いてすぐに正樹と滑りに行った。新大久保から電車沿いの何も無い道を進み高田馬場まで行く頃になっても最近長くなった一日のおかげで周囲はまだ明るい。小さな専門学校と何となく怪しいアパートやビルがひしめき合う中でスケボーをしながら高田馬場一画を奥へ奥へと進んでいく。日曜日だから会社も学校も休みなのかどのビルもひっそりとしていて人気がない。日曜日だからみんな出かけているのかどのマンションやアパートもカーテンが閉まったままだ。昭和の年期が入ってくすんだコンクリートのビルと、人気の無い路地に最近取り付けられた黄色く光る盲人用のプレートがコントラストとなって目から脳へと飛び込み続けるのは、この路地には他の色彩が無いからだろうか。人気のなさに馴れてきた頃急にバイクが飛び出してくる。
 老婆が茶飲み友達を招き入れた崖の上のアパートの脇にある階段横のスロープを上ったり降りたり。それを階段の下の道から笑いながら眺めている老人と階段を降りてくる若い女。
 坂の途中にあるビルの窓の下がRになっているので試そうとするが、立地条件が複雑なので諦めかけたときに横を通った二人の学生。以上が正樹とスケボーをしながら出会った全ての人たちだ。

  「森本ここら辺詳しいね。」
 「昔付き合ってた女が住んでたからね。」

 一ヶ月前ならもう暗くなってもおかしくない時間なのに空はといえば少し薄くなったものの未だにその青さを留めたまま、なかなか夜にはなろうとしない。
 一画を抜け出して再び行きと同じ線路沿いの道に出た僕たちは今度は新大久保へ向けて走り出す。それまでと違って急に開けた視界で新宿のビル群に沈みかけた太陽を見た僕は、赤い光を反射する窓にようやく夕暮れを実感したのである。走りながら急にかがみ込んだ正樹のパーカーは前を開けているせいで風を受けて脹らみ正樹の体を大きく見せている。あいつが笑顔なのは多分僕が笑顔だからだろう。
 その後紆余曲折の酔いを経て出番。今からライブなんて出来るのか俺?と思いながら楽屋のソファで横たわっていると前に立った女の人たちの声が聞こえて来る。

 「森本君大丈夫かな。」
 「でも最近見る森本君っていっつもこんな感じでへろへろだよ。」
 「それ超可愛い!」(←言ってない)

 夢中で転げ回ったら気持ち悪くなったので一度トイレで吐いて戻ってまた転げ回るうちにライブが終わる。みなさんごめんなさいもう飲みません。
 トリのアブラハムが終わってから喋らない?みたいな話もあったんだけど結局喋らず。ごめんね、次ん時喋らせて。
 ソファに横たわる俺について話していた逆光の彼女が言うようにへろへろだから今日はドムに泊まります。と思ったんだけどライブ後一生懸命掃除しているスタッフを見たら何か申し訳なく思えてきて帰る。ドムの女性スタッフは全員彼氏がいないのに頑張っているんだもの。俺だって頑張って帰らなくては。
 帰りの電車で会った陽君のGパンがやたら細くしかもローライズ。それチャック5cm程じゃないですか!
 「ふふん、ユニクロで3900円。」
 いや、俺が引っかかってるのは値段じゃなくてその形状でありまして・・・。
 ライブ中引っ込んで何してたの?と聞かれたので、すみません吐いてましたと謝るとステージで吐かなきゃと言われたが、こんなローライズしている人の意見を聞いてもいいものかどうか甚だ疑問也。


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