BREAKfAST – breakmefast.com

ファンダンゴの表の道にいた女の子

 ライブ前にファンダンゴの表の道にいた女の子二人組(名前はまなみとゆうこでお願いします。)と目があったので「オッス」と挨拶したら笑いかけてくれた。(純粋な愛を信じてみようかな、という気持ちが芽生える) そのまま向かいのお好み焼き屋でご飯を食べていたら、その女の子が店内に入って来る。(え、どういうこと?ワンフー?なんてことを考え戸惑いながらも、夏休み前日に似た高揚感を覚える。)
 「いらっしゃい!」というおかみさんの声に「いえ、違うんです。ちょっと用事があって・・・。」と言いながら店内を見渡すまなみの後ろでうつむいているユウコ。(そして箸が止まったまま二人を見つめる俺)
 俺と目があったまなみが「あっ。」と言いながらこちらに歩いてくる。(運命ってあるんです。)
 カウンターしかない店内で、客の背中と壁の間を俺の目を見ながら向かってくるまなみと、照れながら付いてくるユウコ、二人を視界の中央で捕らえながら俺の頭の中ではまるで啓示のようなひらめきがあった。「告白される・・・。」 傾いた夕日が校舎を赤く染める中、帰ろうとした俺にそっと手紙を差し出した香苗、いつだって騒がしい3組前の廊下は人気も絶え、うつむいたままの彼女の前で髪の香りを感じながらも微動だに出来ないあの頃の俺!迫り来る夕闇、人気の絶えた廊下、グラウンドから聞こえるかけ声と金属バットの快音、そのとき俺は全てが夢だと思った。
 放課後の学校という非日常的な空間が作り出した幻想だと、しかし夏の匂いを運ぶ初夏の風が彼女の前髪を揺らしたとき、この瞬間はどうしようもなく現実なんだと気づき、赤く染まった彼女の頬を見て俺は死んでもいいと思った。あの頬を染めていたのは夕日じゃないよな。
 二人が俺のそばに来るまで、時間にしたら4、5秒だっただろう。しかしその間に俺は忘却の彼方で眠っていたあの気持ちを取り戻し、古い言い回しではあるが心臓は爆発寸前だった。なぜあの時あんな気持ちになったのか、旅先という状況の開放感が作り出した非日常だったのだろうか、いや考えるのはもうやめよう。俺はまだアノトキメキを持っていた、それだけで充分じゃないか。今はただあの二人の女の子にありがとうと言いたい。

 レイザーズ・エッジの企画に出演するために再度大阪へ。十三という梅田からほど近い風俗街でのギグ。風俗情報を無料で教えるたこ焼き屋があり驚く。大阪のイメージを裏切っていない店だな、と感じた。

 やる気まんまんでステージに上がったのだが、客の反応が静かすぎてやりずらかった。頑張ったけれど客は最後まで微動だにせず。久し振りに静けさを感じたということは最近のライブではそこそこの反応があったんだなぁと8曲目が終わった頃に思う。ただし皆ステージに近いところで見ていた。東京であの静けさだったら客は後ろの壁に張りついたままだっただろう。ライブの最初に「東京の最終兵器、ブレックファストです」と言ってから演奏したのだが、それも思い返せば虚しいばかり、とんだ最終兵器だ。我々の次に出たフラッシュゴードンもステージで「今日はやりずらなぁ。」と言っていたが彼らの気持ちが分かるのはブレックファストだけだぜ!ただしギターの酒井君によれば我々の演奏は完璧だったらしい。「合コンで『いくつに見える?』ってきかれちった。」というトークも上出来。おそらく皆かつて似たような会話をしてきたのだろう、共感を得るトークは面白い。随所の小ネタも勝因の一つ。最後に出たレイザーズ・エッジがもの凄く盛り上がり、今日の企画について出来レース疑惑が浮上する。

 ライブ終了後個人的には関西ローカル番組「吉本超合金」(関東の人間には天然素材でおなじみFUJIWARAが出演)が見たかったのだが打ち上げへ参加。会話には参加せず、ひたすら隣の会話に耳を傾け、心の中で返答する。帰りに寄ったラーメン屋にサバンナとシュガーライフのサインがあった。そしてそこは紳助の店だった。


top